TKA術後に和式生活を送るために必要な「床上動作」を簡単に行う方法について

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TKA術後の理学療法
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どうも。

Knee-studyです。

 

今回は前回の記事に続きで、TKA術後の床上動作について記事にしていきます。

 

前回記事はこちら。

TKA術後の床上動作訓練は勧めるべきか否か?
TKA術後は膝の可動域制限を認め、一定期間は思うように膝が動かない・曲がらないなどの問題が生じます。そんな中、患者さんによっては「床に座りたい」・「家ではコタツに入って過ごすわ」などの訴えが聞かれ、床上動作の訓練を行っていく例も少なくありません。 今回は、このようなTKA術後に起こる悩みについて文献を交えながら考えていきたいと思います。

 

まず初めに、和式での生活は正座では145°以上、胡坐や床からの起立などの和式生活には最低でも膝の屈曲が130°以上必要と言われています。

吉本洋一:下肢のROMとADL,理学療法学,15(3):247-250,1988より引用

 

 

つまり、床上(和式)での生活を送るには、膝関節の深屈曲が必要になるわけです。

TKA術後の膝関節にとって、これほどまで膝を曲げることは中々、、、大きな課題になります。

 

と、そんな和式生活ですが、やり方次第では、膝関節をそんなに曲げなくても床上での生活が可能になることもあります。

そのまんまですが、正座や胡坐を避けて基本的に長座位で過ごすなど代わりになる動作を習得してしまえば和式生活も可能になるということです。

下手に低い椅子などを用意して和式生活に適応しようとした方が、低い椅子からの立ち座りに難渋してしまうケースもあるため、いっそのこと長座位になることを考えたほうが賢明なこともあります。

 

このように、膝を深く曲げる動作を避けることで、TKA術後も和式生活を我が物にするために残る課題は、「床に座るまでの道中」のみとなってきます。

 

「床に座るまでの道中=床上動作」

 

今回は、この床上動作の方法について、TKA術後でも実際に可能な方法を紹介していきたいと思います。

 

 

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1.TKA術後に床上動作を避ける理由

TKA術後は、膝の前面に目に見える大きな傷が残るため、様々な行動抑制を自分自身(患者自身)でかけてしまうケースが多いです。

 

そうなると、床上動作だけでなくすべての動作に対して消極的となり、手術は問題なくても在宅で不活動などが起こり、本来の”人工関節”の効果を発揮できなくなります。

 

 

こういった、負の連鎖を止めて「やっていい動作を安全に行わせる」こともセラピストの役割の一つでもあると思います。

 

ここでは、TKA術後の床上動作に対する訴えを一つ一つ考えていきます。

 

●膝をつくと痛いと思っている

これは術後早期でよく訴えに挙がるワードです。

膝のつき方にもよりますが、多くの方は床上動作などで膝をつくと「意外と痛くなかった」と訴えることが多いです。

 

自分自身で思っているより、術後の傷の治りは早く、また床上動作時にも膝に負担はかかりません。

注:やり方次第です

 

膝の痛みが強い場合は、膝を床につかないパターンの床上動作を指導していきます。

 

●そもそも膝をついてはいけないと思っている

術後ある一定期間(ここは手術を執刀したDrによって違いがあると思います)は膝をつくことを避けるよう指示がありますが、「いつまでもつけてはいけない」わけではありません。

 

手術部位に負担がかからないなどの判断がつけば膝をつくことは可能になります。

ただし、膝をつくときの衝撃やつく場所(固い地面はNG)は必ず注意する必要があります

※人工関節のインプラントの破損や緩みにも繋がってくるため注意が必要です

 

●椅子よりも低い所に座るため、膝をかなり曲げないといけないと思っている

術前にしゃがみ込んでから座り込む動作を習慣化している方にとっては、このような訴えが多く聞かれます。

 

実際は、一旦四つ這いなどの姿勢になっていくため、膝関節の曲がりは思っているよりも深くはなりません。

 

しかし最低でも膝関節の屈曲90°以上は必要になってくると思われます。

 

●膝をつけるor深く曲がることで傷が開いてしまうと思っている

膝をつく時期にもよりますが、基本的には問題ないものと思われます。

患者さんによっては、膝を曲げる訓練を行っている最中も同様の訴えが聞かれます。

 

イメージとしては、「ボイルしたウインナーを半分に折り曲げる感じ」ですかね・・・プリッと真っ二つに割れる感じです。

 

イメージは共有できますが、実際はそのような問題はほぼ起きません。

起きる前に、セラピストも止めますし、患者さん自身が痛くて抵抗してしまいます。

 

ちなみに、術後早期で腫脹などの炎症が強い時期は、傷が開くリスクは非常に高いですから注意が必要になります。

 

 

●無理をすると膝が痛くなると思っている

無理の仕方にもよりますが、セラピストが見守っている状況ではあまり起こり得ない問題かと思います。

動きの中で注意する点としては、”膝を捻じらない””痛みを”我慢して膝を曲げない””無理な姿勢で膝に体重をかけない”などが挙げられます。

 

 

2.TKA術後での床上動作は安全に行える~TKA術後の床上動作の方法について~

ここでは、実際のTKA術後の床上動作の実際を紹介します。

 

TKA術後の床上動作の方法としては大きく分けて2パターン存在します。

①膝をついて四つ這いを経由する方法

②膝をつかずに一気に高這いまでいってしまうパターン

 

今回はこの2パターンについて紹介していきます。

 

床上動作のパターンを紹介する前に~床上での過ごし方~

TKA術後は、床上では基本的に”長座位で過ごす”ことが多くなります

長座位であれば膝を伸ばしたまま過ごすことが出来るため、膝への負担はほとんどありません。

 

TKA術後の患者さんは術前から膝が曲がらない・痛いなどで正座やしゃがみ込みを行っていない例が多く、意外と術前から長坐位で過ごしていることが多いです。

そのため、長坐位で過ごすことに抵抗がないケースが多いのは事実です。

 

 

TKA術後の床上動作パターン①四つ這いを経由するパターン

では、TKA術後の床上動作の方法を紹介していきます。

まずはパターン①です。

こちらは「一旦膝をついて四つ這いを経由する方法」になります。

図:TKA術後の床上動作の方法~四つ這いを経由する方法~

 

以下に一フレーズずつ説明していきます。

※床に座っている状態から立ち上がる一連の動作を紹介します

※立っている状態から床に座る動作は、一連の動作を巻き戻すように座っていきます

 

①開始肢位~長座位~

まずは長座位を取ります。

膝に無理な負荷がかからずに立ち上がるには、一旦身体の前面を床に向ける必要があります。

つまり体幹の回旋運動が必要になってくる訳です。

 

②体幹の回旋にて長座位⇒四つ這いへ移行

体幹を回旋させて、四つ這いに移行していきます。

片膝を立てて、立てた足とは反対方向に身体を捻じっていきます。

体幹を捻じって自身の側面ないし背面に手をついていきます。

 

③四つ這い姿勢になる

膝を立てた側の足で踏ん張り身体を捻じっていくことで四つ這いに移行していきます。

 

④四つ這いから片膝立ち位に移行

四つ這いから片方の膝を立てて立ち上がりの準備をします。

膝を立てる際、膝が深く曲がることがあるため、やや外向きに膝を立てると少し楽に動作を行うことが出来ます。

 

⑤片膝立ちから高這いへ移行

膝を立てた足と両手で床を押し上体を起こしていきます。

その際に、残った下肢も伸ばし足底接地させていきます。

 

⑥上体を起こしていく

両手で床を押し、上体を起こしていきます。

この時、前方へバランスを崩しやすくなるため注意が必要です。

 

⑦終了肢位~立位~

安定して立てる状態になったら床上動作完了です。

 

以上が、一つ目のパターンで「膝をついて四つ這いを経由する方法」になります。

 

 

TKA術後の床上動作パターン②膝を床につけないパターン

次のパターンは、「膝をつかずに立ち上がる方法」になります。

TKA術後は膝をつくことを嫌う傾向にあるため、この方法を指導することが多いように思います。

手術した膝を床につけるのは中々気が引ける行為であるため、こういった膝をつけない方法も手段として紹介できると安心ですね。

図:TKA術後の床上動作の方法~膝を床につけずに立ち上がるパターン~

 

開始肢位~長座位~

開始肢位は同じです。

 

②膝を立てて立ち上がる準備

片膝を立てて上体を捻じっていきます。

対側の足も膝を折りたたみ、立てた膝の間を通すようにします。

上体を捻じり、体幹の側面ないし背部に両手をつくようにします。

 

③一気に高這い位に移行

足で踏ん張ると同時に体幹を回旋させ、重たい殿部を持ち上げていきます。

そのまま残った足も足底接地し高這い位へと移行します。

 

④高這い位から上体を起こしていく

ここも、四つ這いを経由する方法と同様です。

 

⑤終了肢位~安定した立位姿勢~

安定した立位姿勢が取れたら床上動作は完了です。

 

以上が、膝を床につけずに立ち上がる方法になります。

四つ這いを経由する方法と比べて、工程が一つ減るため動作自体は簡略化されています。

しかしその分、身体操作能力や筋力および筋出力が必要になるため、動作可能かチェックする必要があります。

 

 

3.まとめ

今回は、TKA術後の床上動作の実際の方法について紹介していきました。

床上動作は、「コタツに入る」・「ベッドではなく布団で寝る」などの多くの場面で必要な動作になります。

 

手術を機に生活スタイルを変更(和式⇒洋式)する場合もありますが、TKA術後も上記のような生活を送る方も比較的多く存在します。

この場合は、床上動作の獲得が和式生活を許可するか否かの一つの指標になってきます。

 

実際に、今回紹介した動作を行えば膝への負担はさほどなく、ほとんどの方が習得可能になっています。

患者さんのQOLを高める為にも床上動作の獲得は一つのポイントになると思われます。

 

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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