膝oaの膝伸展制限に大きな影響を及ぼすスクリューホームムーブメントについて

変形性膝関節症(膝OA)について

どうも。

管理人のKnee-studyです。

 

今回は膝関節のことについて記事にしていきます。

膝関節の主な機能としては、膝の屈伸運動にあります。

関節としては人体の中で非常に大きな可動域を持ち、日常生活での貢献度は非常に大きいです。

 

そんな膝関節ですが、屈伸運動中に関節内では若干の回旋運動が生じています。

この回旋運動のことをスクリューホームムーブメント(以下、SHMと表記)といい、膝関節を完全に伸ばし切るためには必要な機能と言われています。

 

このSHMが破綻することで、膝の伸展制限が生じるようになり、膝oaの場合でもSHMの破綻による膝の伸展制限が問題として挙げられるケースが多いです。

 

今回はこのSHMについてまとめていきたいと思います。

 

 

1.スクリューホームムーブメントとは?

まずはSHMについてまとめていきましょう。

・SHMとは何なのか?

・どういった要因でSHMが誘発されているのか?

・SHMが誘発されることでどんなメリットがあるのか?

などについてまとめていきます。

 

スクリューホームムーブメントとはどんな動きのことを言うのか?

膝関節は屈曲位から伸展する際に、約10度の外旋運動が受動的に起こります。

この動きをスクリューホームムーブメント(以下、SHM)と呼びます。

 

SHMの発生機序には、大腿骨顆部の形状と、靭帯の緊張が関与していると考えられています。

これらの解剖学的因子により、SHMが引き起こされ、最終伸展域で脛骨の外旋運動が生じることで
膝関節は強固に固定された位置に配列されていきます。

 

 

スクリューホームムーブメントが誘発される理由①(大腿骨顆部の形状)

大腿骨の内・外側関節面は、内側で円周が小さく、外側で大きいという特徴を有しています。

 

膝関節の伸展運動に際して、脛骨は大腿骨内側顆部の形状に従って動きます。

大腿骨内側顆の関節面は、顆間溝に接近するにつれ大腿骨の中心部へ向かい約30度の角度を持って曲がっています。

このため、完全伸展に際して脛骨が大腿骨に対して外旋すると考えられています。

 

膝関節の屈伸軸は内側上顆と外側上顆を結んだ線とされています。

この線は内側が後上方に傾斜するため、膝関節の伸展では外旋運動が自動的に起こります。

 

 

スクリューホームムーブメントが誘発される理由②(靱帯の緊張)

膝関節の伸展に伴う前十字靭帯の緊張の増加が最終伸展域で脛骨を外旋させる重要な因子であると考えられており、SHMを引き起こす要因であるといわれています。

 

SHMは膝関節の安定化に重要な役割をもつとされている

SHMにより、膝の完全伸展が得られることで関節の安定性が強固になります。(膝のロック)

 

つまり、SHMが出現しないと膝は軽度屈曲位となり、関節そのものの安定性は低下し、代わりに筋機能での制御が増えてくることになり、非効率的な制御となってしまいます。

 

荷重位ではどうやってSHMを成立させているのか?

立位・荷重位では下腿は足部を介して地面に固定されているため、自由に外旋できません。

いわゆるclosed kinetic chain(CKC)の状態です。

しかし、SHMの動きが起きないと膝の伸展は出なくなります。

そのため、荷重位では下腿の外旋が生じるのではなく、下腿に対して大腿骨が内側に捻れる(大腿骨の内旋運動)ことでSHMを完成させています

 

 

2.膝oa患者の場合のスクリューホームムーブメント

膝oa患者の場合、正常なSHMは出現しにくくなります。

どういうことかというと、「大腿骨が内旋しない」ということです。

 

大腿骨が内旋出来ない理由は後述するとして、

この大腿骨が内旋出来ないために、膝oa患者の場合、荷重位ではSHMが成立しなくなります

 

そのような状態になると、代償機能として下腿が無理に外旋しなければならなくなり、強引に下腿を外旋させていきます。

下腿を外旋することでカップリングモーションの関係で下腿が外側に倒れていきます。

このように、代償機構が働き、どんどんO脚が助長されてくるわけです。

 

膝oa患者はなぜ大腿骨の内旋が出にくくなるのか?

膝oa患者の大腿骨を内旋出来ない主な原因というのが、「骨盤の後傾」になります。

骨盤が後傾すると運動連鎖の関係で大腿骨が外旋していきます。

そういった原因で、大腿骨の内旋が生じなくなってしまうわけです。

 

膝oa患者が骨盤の後傾位となる理由についてはこちらの記事で説明しています。

内側型の膝OA患者の典型的な姿勢アライメントとは?~運動連鎖と文献の擦り合わせ~
今回は、変形性膝関節症(膝OA)の姿勢アライメントについて考えていきます。膝OAは退行変性疾患の一つであり、年齢と共に発症するものであります。このような膝の変形が起こっている場合、全身でみるとある特定の姿勢アライメントを取ることがわかってきます。今回は、この膝OAに伴う姿勢の変化について、文献を交えながら理解を深めていきたいと思います。

 

 

膝oaの場合、スクリューホームムーブメントが逆転していることもある

膝oaについて、新潟大学大森教授らは、SHMが膝OAのステージが高くなるに従って出現が低値となっており、ステージ4に至っては、逆SHMが出現していると報告しています。

 

また、加齢による筋や靭帯の張力の低下によって関節運動が変化することが言われており、逆SHMも靭帯の弛緩性や加齢による影響が考えられます。

 

SHMの逆回旋は、関節の伸展運動を制限し、関節の安定化にも重大な問題を引き起こすとされており、見逃せない問題です。

 

こちらの文献では、このSHMの逆転現象は健常人でも見られる現象であることを記しています。

結果的には、SHMを3つのパターンに分類しています。

●伸展するに従って外旋角度が増加するタイプを「外旋型」

●伸展開始時には外旋するものの、途中から内旋に切り替わるタイプを「終末内旋型」

●伸展開始とともに内旋するタイプで、SHMの逆転が認められるタイプを「内旋型」

ここでも、異常SHMを引き起こす原因は、「靭帯の弛緩性」や「加齢変化(高齢)」が挙げられています。

引用文献:非荷重時の膝関節自動伸展運動におけるスクリューホームムーブメントの動態解析

 

3.まとめ

今回は、膝oa患者の伸展制限の一つの原因となるSHMについて考えていきました。

文献では、膝oa患者のSHMは破綻しており、SHMの逆転現象が起こることも言われています。

 

SHMが正常に機能しなければ膝の完全伸展は制限されることになり、歩行に影響してきます。

また完全伸展が出ないということは骨性の支持ではなく軟部組織に依存した支持となり、不要な緊張や痛みを引き起こしやすくなります。

 

ということで、膝の伸展制限が生じている場合は、SHMのチェックをしていくことが大切になるということは覚えておこうと思います。

 

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました