元々不安定な膝関節を安定させるために必要な支持機構について

膝関節について

どうも。

管理人のKnee-studyです。

 

今回は、「膝関節」の安定化に関与した内容をまとめていきます。

膝関節は、股関節と足関節の中間の関節として存在し、両者からの影響を受けやすい関節も言えます。

また、関節の構造自体、安定性よりも可動性に特化した構造になっており安定性は周囲の組織に頼ったものになっています。

 

今回は、その膝関節の安定性に関与する組織について紹介していきたいと思います。

 

1.膝関節の支持機構について

膝関節は基本的に屈伸に特化した関節になります。

厳密に言えば、屈伸の動きに伴って回旋の要素も入ってきます。

それでも回旋の角度はほとんどなく、屈曲伸展の動きがほとんどになります。

 

そんな膝関節ですが、屈伸の動き以外は、内外側の制動により制御されています。

また膝関節内も安定化に寄与する組織が存在し、膝関節が正常運動から逸脱しないようコントロールされています。

以下に膝関節の支持組織を部位別に紹介していきます。

 

①膝関節の内側支持機構

内側支持機構は、内側側副靱帯(MCL)、内側関節包と鵞足(縫工筋・薄筋・半腱様筋)、半膜様筋、腓腹筋内側頭により構成されています。

【膝関節の内側支持機構】                              ・内側側副靱帯(MCL)                                ・内側関節包                                    ・鵞足(縫工筋・薄筋・半腱様筋)                           ・半膜様筋                                     ・腓腹筋内側頭
図:膝関節内側の構造(支持機構)について

人工膝関節全置換術[TKA]のすべて改訂第2版より一部改変し引用

MCLの浅層は、大腿骨内側上顆から鵞足の下を通り、関節裂隙から4~5㎝遠位で脛骨内側に付着する強靭な組織です。

前方部分は厚く帯状になり、前縦走線維と呼ばれています。

後方部は後上斜走線維、後下斜走線維からなり、後方で深層の関節包の線維を交錯、密着します。

前縦走線維は伸展位で後方凸の弓状を呈し、屈曲45°~60°で直線状となります。

前縦走線維は、屈曲とともに大腿骨内側上顆付着部が回転し、緊張を保つ構造となっています。

 

図:MCLの構造について

人工膝関節全置換術[TKA]のすべて改訂第2版より一部改変し引用

 

内側関節包は、内側関節包靭帯(medial capsular ligament)とも呼ばれ、前方部・中央部・後方部にわかれ、MCL浅層の一部をなす前縦走線維の直下にあります。

中央部はとくに肥厚しており、MCL深層とも呼ばれています。

関節包靭帯には半月板を脛骨に付着させる冠状靭帯(coronary ligament)もあります。

MCL浅層縦走線維と関節包靭帯(深層)には機能的相違があり、外反の制御はMCL浅層(前縦走線維)が作用し、下腿の外旋の制御は関節包靭帯(深層)が作用しています。

 

②膝関節の外側支持機構

外側支持機構は外側側副靱帯(LCL)、弓状膝窩靱帯、関節包靭帯、大腿二頭筋、膝窩筋、腓腹筋外側頭および腸脛靭帯で構成されています。

【膝関節の外側支持機構】                                             ・外側側副靱帯(LCL)                                ・弓状膝窩靱帯                                   ・関節包靭帯                                    ・大腿二頭筋                                      ・膝窩筋                                         ・腓腹筋外側頭                                     ・腸脛靭帯
図:膝関節外側支持機構について

膝の外側は内側に比べて移動性が大きい構造になっています。

特に腸脛靭帯は、近位で大腿筋膜張筋、中殿筋膜の一部から連続し、後方部分は大腿外側筋間中隔に連続し、またKaplan線維によって大腿骨外側粗線に付着し、遠位で大腿骨外顆部に付着し、膝関節の静的支持機構を構成しています。

さらに遠位では、脛骨外顆部とGardy結節に付着しています。

 

LCLは伸展位で緊張し、屈曲と共に弛緩します。

伸展位で緊張し、屈曲約20°から弛緩するLCLと、屈曲20°から伸展位まで弛緩する腸脛靭帯は互いに補足的に機能しています。

このLCLと腸脛靭帯のそれぞれの機能により外側支持機構は機能しているといえます。

 

図:LCLと腸脛靭帯の緊張する角度の違いについて

人工膝関節全置換術[TKA]のすべて改訂第2版より一部改変し引用

 

弓状膝窩靱帯は後外側の関節包を補強し、膝伸展位で緊張し関節の外側回旋安定性に寄与しています。

大腿二頭筋は最大唯一の下腿外旋筋であり、坐骨結節および大腿骨粗線に起始し、遠位は3層にわかれ、浅層の一部は下腿筋膜に、大部分はLCLを包むようにして腓骨頭に付着します。

深層の一部は腓骨頭に、残りは脛骨外側に付着しGardy結節に至ります。

 

膝窩筋は膝伸展位から屈曲への切り替えをする作用と下腿内旋作用を持ちます。

また膝窩筋は、脛骨後内側に起始部を持ち、外側半月板と関節包の間の膝窩筋腱溝を通り関節内に進入し、PCL大腿骨付着部から下方に付着します。

 

③関節内支持機構

膝関節には、内外側の支持機構に加え関節内にも支持機構が存在しています。

関節内支持機構には、内・外側半月板、前・後十字靭帯(ACL・PCL)があります。

【膝関節の関節内支持機構】                             ・内側半月板                                    ・外側半月板                                    ・前十字靭帯(ACL)                                 ・後十字靭帯(PCL)

図:膝関節内の支持機構について

人工膝関節全置換術[TKA]のすべて改訂第2版より一部改変し引用

 

外側半月板の後方には、膝窩筋腱を入れる膝窩筋腱溝が存在し、この部位では関節包との連続性がありません。

ACLとPCLは多数の細い線維束からなり、脛骨大腿関節の前後方向および回旋を制御しています。

 

TKAにおいては、PCLが重要であるとされています。

 

※TKAとPCLの関係性については以下の記事に詳しくまとめています。

膝関節のロールバック機構を担うPCL(後十字靭帯)について
膝関節のロールバック機構は後十字靭帯(PCL)により成立する機構であり、PCLの変性や断裂により、このロールバック機構は破綻します。 つまり、膝屈曲が円滑に行われなくなることを意味します。それだけPCLはACL同様に重要な組織であるということですね。

 

PCLの脛骨付着部の後外側線維束は大腿骨内下の顆間窩壁の前上部に、後内側部の線維束は後方に、前方部分の線維束は前下方部分に付着し、特徴的に機能します。

屈曲位では前方線維が作用し、伸展位では後方線維が緊張します。

PCLの機能は、膝関節に重要な後方支持だけでなく、回旋運動の中心の役割を果たすことが知らています。

図:PCLの機能について

人工膝関節全置換術[TKA]のすべて改訂第2版より一部改変し引用

 

人体の中でも強靭な支持作用を持ち、一種の後方の壁を作り、運動と安定に寄与しています。

PCL遠位の脛骨への付着は、関節面から約2㎝にわたります。

 

 

2.まとめ

今回は、膝関節の支持機構についてまとめていきました。

膝関節が屈伸のみに大きな可動性を保持できているのは、関節面の構造だけでなく、周囲の支持組織が正常に働いているが故の結果であることを理解できるかと思います。

 

逆を返せば、膝の屈伸の可動性が大きく制限された場合、今回紹介した支持組織のどこかが破綻している可能性も考えられるわけです。

 

そういった面を考えると、ある程度、支持組織の理解は必要で理学療法アプローチにも生かせる可能性が出てくるわけです。

 

というわけで、本日は膝関節の支持組織についてでした!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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