どうも。
管理人のKnee-studyです。
今回は、膝関節に関連する記事を更新していきます。
「膝関節」は股関節と足関節の間に位置する関節です。
故に、股関節、即関節の異常に追従してしまうこともしばしば・・・
筋肉に至っても、膝関節をまたぐ筋肉が多く、比較的長い筋肉が多のが特徴です。
図:膝周囲の筋
今回は、そんな膝関節に関連のある筋肉を紹介していきます。
1.膝関節周囲の筋群の特徴
まずは膝関節に関連のある筋の特徴について紹介していきます。
以前の記事で膝関節に関する内容を簡単に紹介しています。
①膝関節周囲の筋は二関節筋が多い
膝関節は股関節と足関節の間の”中間関節”として存在します。
そのため、膝関節は上下に存在する関節(股関節・足関節)の影響を受けやすい関節といえます。
そして、膝関節を取り巻く筋は”単関節筋”に比べ”二関節筋”が多いのも特徴です。
ちなみに二関節筋は、名前の通り「2つの関節をまたぐ筋」となります。
2つの関節をまたぐため、1つの関節を安定させる機能は低く、どちらかというとパワーを生み出したり協調的な動きを引き出したりなどの運動が得意になります。
故に膝関節周囲の筋は、“関節を安定させる”機能には疎いということになります。
関節を安定させるには二関節筋よりも、“単関節筋”の方が構造的には有利であるということです。
②膝関節周囲筋に存在する単関節筋は意外に少ないの?
前述した通り、膝関節には二関節筋の割合が多いです。
しかし、単関節筋が全く存在しないわけではありません。
膝の後面では、”膝窩筋”や”大腿二頭筋の短頭”がその代表の筋になります。
この両筋は、膝関節における伸展制限を作る大きな原因になります。
膝の前面では、内側広筋や外側広筋などが単関節筋となります。
③膝関節を取り巻く筋群の役割とは?
筋機能的に膝に与える影響としては、「安定化」よりも「自由度」の方が大きいです。
自由度というとプラプラしている印象を受けますが、そうではありません。
膝関節は、関節の構造自体が非常に不安定に出来ています。
その関節に対し、それぞれの筋肉の収縮・弛緩により膝関節の可動性を極限まで広げているということです。
ただし、関節が不安定いといっても、側方や捻じる方向への自由度ではなく、前後方向の動きに対し自由度が高いということです。
この前後方向に自由度の高くなっていることにより、
”立ち上がり動作”や”しゃがみ込み動作”などの重心の上下動の大きい運動が可能になるわけです。
④膝の安定性に関与するのは筋肉よりもその他の組織
関節の安定化に大きく関与しているのは、膝の場合は「靱帯」や「半月板」が大きく関わっているとされています。
※靱帯とは、前十字靱帯(ACL)・後十字靱帯(PCL)・内側側副靱帯(MCL)・外側側副靱帯(LCL)の4つのことを指します
※半月板とは、内外側に存在する半月板のことを指します
2.膝関節に関連する筋の一覧とその作用について
膝関節を取り巻く筋群は思っているより多いです。
しかし、その大半が二関節筋であり、安定性に寄与するためのものではありません。
ただし、膝関節をまたいでいるため、膝関節に対してはなにかしらの影響を及ぼしています。
①縫工筋
図:縫工筋
起始:上前腸骨棘(ASIS)
停止:脛骨粗面の内側(鵞足を形成)
走行:長い帯状の筋で、斜め下内側後方に向かう。
作用:股関節の屈曲と外転外旋・膝関節の屈曲と内旋
②薄筋
図:薄筋
起始:恥骨結合の外側
停止:脛骨の内側面(鵞足を形成)
走行:長い帯状の筋で大腿の際内側を下行し、下半では細い腱となる。縫工筋の後方に接する。
作用:股関節の内転・膝関節の屈曲と内旋
③大腿直筋→(大腿四頭筋の一部)
図:大腿直筋
起始:下前腸骨棘および寛骨臼の上縁
停止:脛骨粗面
走行:紡錘上の筋腹を作って下り、強い扁平な腱となって共同腱の表層中央部に加わる
作用:膝関節の伸展・股関節の屈曲
④外側広筋→(大腿四頭筋の一部)
図:外側広筋
起始:大転子の基部、殿筋粗面
停止:脛骨粗面
走行:下内方に向かい、中間広筋と合しながら共同腱の外側の外側縁に合する。
作用:膝関節の伸展
⑤内側広筋→(大腿四頭筋の一部)
図:内側広筋
起始:大腿骨店弛緩線の下部、大腿骨粗線の内側唇
停止:脛骨粗面
走行:中間広筋を覆って癒着しながら斜め外下方に走り、共同腱の内側縁に合する。
作用:膝関節の伸展
⑥中間広筋→(大腿四頭筋の一部)
図:中間広筋
起始:大腿骨の前面と両側面
停止:脛骨粗面
走行:下方に向かい、大腿直筋、内外側広筋に覆われ、共同腱の中軸をなす。
作用:膝関節の伸展
⑦大腿二頭筋長頭→(ハムストリングスの一部)
図:大腿二頭筋(坐骨まで上行している方が長頭)
「起始:坐骨結節
停止:腓骨頭
走行:半腱様筋とともに下方に向かい、短頭と合して共同の強い腱となり膝窩の外側を通って下外方に走る
作用:股関節の伸展・外旋・膝関節の屈曲
⑧大腿二頭筋短頭→(ハムストリングスの一部)
図:大腿二頭筋(大腿骨で停止している方が短頭)
起始:大腿骨体の粗線の外側唇・外側大腿筋間中隔
停止:腓骨頭
走行:大腿骨の外側で遠位1/3辺りから腓骨頭に向かって下方に走行
作用:膝関節の屈曲、外旋
⑨半腱様筋
図:半腱様筋
起始:坐骨結節
停止:脛骨粗面の内側(鵞足を形成)
走行:細長い筋で下半は長い腱となり、膝窩の内側に沿って内下方に走る。
作用:股関節の伸展、内転、内旋・膝関節の屈曲
⑩半膜様筋
図:半膜様筋
起始:坐骨結節
停止:脛骨粗面、脛骨内側顆の後部、膝窩筋筋膜
走行:坐骨結節から下方に走行し脛骨の内側に付着する
作用:股関節の伸展、内転、内旋・膝関節の屈曲
⑪腓腹筋→(下腿三頭筋の一部)
図:腓腹筋
起始:大腿の内外側上顆(内側頭と外側頭に分かれている)
停止:アキレス腱となり踵骨に停止する(踵骨隆起の後部)
走行:外側頭は内下方、内側頭は外下方に下り、ともに幅の広く厚い腱の背面につく。
作用:足関節の底屈・膝関節の屈曲
⑫ヒラメ筋→(下腿三頭筋の一部)
図:ヒラメ筋
起始:腓骨頭と腓骨後面・脛骨のヒラメ筋線と内側縁
停止:アキレス腱となり踵骨に付着
走行:大半は腓腹筋に覆われている。腓腹筋と合して強く大きな共同腱になる。
作用:足関節の底屈
⑬膝窩筋
図:膝窩筋
起始:大腿骨外側上顆の外側面
停止:脛骨後面上内側部(ヒラメ筋線より上)
走行:大腿骨外側上顆から内下方に向かい、広がって筋腹となる。
作用:膝関節の屈曲・脛骨の内旋
⑭足底筋
図:足底筋
起始:大腿骨外側上顆および膝関節包
停止:踵骨隆起
走行:小さい筋で始まり、細い腱となり腓腹筋とヒラメ筋の間を斜めに内下方に走行する。
作用:下腿三頭筋の働きの補助
⑮大腿筋膜張筋
図:大腿筋膜張筋(腸脛靭帯を介して膝関節までいく)
起始:上前腸骨棘(ASIS)と大腿筋膜の内面
停止:腸脛靭帯、脛骨外側顆前面の粗面(ガーディ―結節)
走行:中殿筋の前方で大腿筋膜に包まれた平たく長い筋で、大転子前方を経て腸脛靭帯に移行し、大腿の外側を下る。
作用:股関節の屈曲、外転、内旋・膝関節の伸展
3.膝に関する障害と筋の関係性について
ここでは、膝に関する障害とそこに関わっている筋について紹介していきます。
膝に関する障害は比較的多く、筋の機能障害が関わっていることが非常に多いです。
①ジャンパー膝
脛骨粗面に遠心性の負荷がかかることで炎症を引き起こす障害です。
若年者の成長期に多く発症し、脛骨粗面の隆起を認めます。
原因は、大腿四頭筋の短縮もしくは、身体の使い方が問題で生じます。
●大腿四頭筋の短縮が原因であるとされている
●大腿四頭筋を使いすぎている身体意識の問題も一因となる
●拮抗筋となるハムストリングスの短縮も要因の一つに挙げられる
②鵞足炎
鵞足を構成する3つの筋(薄筋・縫工筋・半腱様筋)に遠心性の負荷がかかり炎症を引き起こす障害です。
主にKnee-inが原因で発症しやすいです。
Knee-inになる原因としては、股関節筋力の低下などが考えられます。
痛みの部位は主に膝内側部に生じます。
③腸脛靭帯炎(ランナー膝)
ランニングなどにより、繰り返し膝へのストレスが原因で炎症が引き起こされる障害です。
O脚になっている場合でも生じやすくなります。
主に膝外側部に痛みが出現します。
4.まとめ
今回は、膝関節に関与する筋群についてまとめていきました。
膝の周囲を覆う筋は非常に多くあり、それぞれが各自機能することで正常な膝の動きを作り出しています。
膝関節に関与する筋はかなり多く存在するため、一つの筋の機能異常により膝そのものの機能にも影響してくることが予想されます。
筋の問題を考えていく際には、”単関節筋なのか?二関節筋なのか?”、”安定性が問題なのか?協調性が問題なのか?”、”疼痛部位は前面?後面?内側?外側?”などを意識して考えていくと、少し整理して考えやすくなると思います。
それでは本日はこの辺で。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!
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