どうも。
管理人のKnee-studyです。
TKAは膝関節のすべてを入れ替える手術に対し、UKAは部分的に入れ替える手術になります。
UKAについての詳細はこちらの記事をご覧ください。
今回はそんなUKAの種類についてまとめていきます。
TKAでは、PSタイプやCRタイプなどそれぞれに特色があり、比較検討をした研究も見受けられます。
UKAも大きく分けて2つのパターンが存在しているようであり、以下に説明していきたいと思います。
1.UKAの機種は大きく2種類
UKAは、手術自体が低侵襲のため少ない周術期合併症と早期の良好な機能回復が得られるとし、TKAと共に変形性膝関節症患者様へ施行されています。
大前提として、UKAは「活動性の低い「高齢者」は非常に良い適応」とされ、手術コンセプトとして高齢者にもってこいの手術とされています。
このUKAですが、大きく分けて2種類の機種が存在します。
当院でもここ1~2年で2つの機種を取り扱うようになっており、患者様の状態に合わせて使い分けているようです。
機種によってコンセプトが若干異なるため、
主に手術後に関わるセラピストとしてはある程度知識として頭の片隅に入れておいた方が良いものと思われます。
UKAの機種は以下の2通りです。
●Mobile(モバイル)
●Fixed(フィックス)
UKAはこの2つに大別されます。
コンセプトや構造の違いなど明確であり、リスク面や適応といった点でそれぞれに特徴があります。
Mobile(モバイル)型UKA
●インプラントとインサートの接触面積が大きい
⇒大腿骨は球の形状であり、インサートとの接触面積がFixedと比べて大きい
●低摩耗性
⇒インサートは大腿骨の面と完全に一致しておりストレスが一か所に集中しない構造になっている
●非拘束性
⇒インサートは脛骨ベースプレート上を自由に動く(Mobile型と言われる所以)
⇒Mobileであるが故のデメリットとしてインサートの”脱転”が挙げられる
●15年生存率⇒94%
●20年生存率⇒91%
こちらはOxford UKA(Mobile型UKA)の報告になるのですが、Oxford UKAの臨床成績は、15年で94%、20年で91%の生存率で、平均年間摩耗量は0.03㎜と良好な成績が報告されています。
従来報告されているUKAの早期破綻例は、活動性の高い比較的若年齢者に起きている
このようにUKAは本来、高齢でかつ活動性の低い方が良い適応とされてきましたが、Mobile型UKAではスポーツ復帰や比較的若年者の適応も広がっています。
Oxford UKA(Mobile型UKA)では「患者の年齢、体重、活動レベル、軟骨石灰化症は禁忌ではありません」と明記されています。
Mobile型UKAの場合、大腿骨側は球の形状をしており、それに伴ってインサートも大腿骨の形状に沿う形となっています。そのために低摩耗性が実現しているため、高度の肥満患者に対しても適応が示されています。
Fixed型UKAよりもMobile型UKAの方が肥満への適応が認められており、必然的にMobile型UKAの方が適応の幅が広くなりますね。
(Fixed型UKAも肥満への適応はあります)
フィックス型UKA
●大腿骨側は解剖学的形状
⇒インサートとの接触面積はMobile型と比べて少ない
●インサート関節面はフラット
●脛骨ベースプレートに固定
⇒インサートは脛骨側に固定されているため、脱転のリスクはなし
そもそもUKAは活動性の低い「高齢者」には非常に良い適応とされています。
低侵襲でかつ早期の機能回復が得られることを考慮すると、少ない入院期間で社会復帰が可能になり入院したことによる機能低下を最小限に抑えることも出来るわけです。
2.まとめ
今回はUKAの機種についてまとめました。
Mobile型とFixed型の2種類がありますが、それぞれ特徴があることがわかりました。
若年者で活動性の高い場合⇒Mobile型UKA
高齢者で低活動の場合⇒Fixed型UKA
Fixed型UKAに比べてMobile型UKAの方が適応の幅が広くなっているようですが、脱転のリスクなどが挙げられその人それぞれに合った選択が必要とされています。
今回の内容は、術後の運動負荷量やスポーツへの許容などリスク面の指導に必要な知識になります。
基本は主治医の指示に従ってもらうといったスタンスでリスク面の指導をおこなっていく事が重要となります。
しかし患者様との会話量は関わる時間の長いセラピストの方が多いわけで、主治医に相談しきれない内容も聞く機会があるわけです。
例えば、mobile型UKAを施行され、ある程度活動性を上げてもいいものを知識がないだけに適切な指導ができず患者様自身が希望する運動を諦めるなどのデメリットが生じる…といった点などが挙げられます。
しっかりと主治医と患者様の間に立ち、具体的な指導や助言を行う際にはこういった知識は知っておくべきかと思う次第ですね。
ということで今回はこの辺で。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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