変形性膝関節症(膝OA)と足部アライメントの関係性~内反変形なのに偏平足?~

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変形性膝関節症(膝OA)
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どうも。管理人のKnee-studyです。

今回は、変形性膝関節症(膝OA)患者の足部アライメントについて考えていきたいと思います。

皆さんも一度は経験がないでしょうか?

「膝関節が内反なので、骨盤は後傾、それに伴って股関節は外旋するから足部も回外位になるか…」

このようなイメージですね。

 

膝関節の内反が強くなるにしたがって、足部のアライメントや荷重ポイントが外側にどんどんズレていくようなイメージを持つと思います。

実際に、膝OA患者に対するDrのファーストチョイスが外側ウェッジがついたインソールであるケースがかなり多いと思います。(その後徐々に症状悪化して人工関節といった流れですかね…)

 

つまり内反型の膝OAの足部アライメントは回外であると捉えられているということになりますね。

ただ、実際の臨床現場では、足部の内側縦アーチは潰れ、偏平足や外反母趾を呈したケースが非常に多いわけです。

一般には偏平足・外反母趾に対してはアーチサポートのついたインソールが処方されますよね。

 

今回はそういった疑問点(私だけかもしれませんが…)についてまとめていきたいと思います。

 

 

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1.膝OA患者の足部アライメントについて

変形性膝関節症と足のアライメントの関係については、いくつかの研究が発表されています。

■足の構造異常が膝や股関節の痛みやOA変化の発症に関連している

■外反母趾の有無と変形性膝関節症の関連があり、外反母趾と変形性膝関節症の重症度は有意に相関している

■両側扁平足の存在が膝の痛みの悪化と有意に関連している

■内反型変形性膝関節症が回内足型と関連している

などなど…様々な報告が挙げられています。

 

運動連鎖から考える膝OAの足部アライメント

足部が回外位にあることで上行性運動連鎖により脛骨・大腿骨は外旋位となり膝関節においては内反モーメントが加わります。

つまり、運動連鎖から考える変形性膝関節症患者の足部アライメントは”足部回外”になるということになります。

このようなパターンには外側ウェッジなどの後足部の回内方向への誘導は効果が期待できることが予想されますね。

 

実際の臨床現場でみる膝OA患者の足部アライメント

上述した運動連鎖から考える足部アライメントと反して、臨床上で多く見られるパターンは異なります。

●歩行時にラテラルスラストを呈している方

●内反変形が高度な方

などなど、明らかに膝が悪いな…って、皆さんが日々、患者様と向き合う上で多く見られるのはこのような状態であるにも関わらず足部は回内位になっているパターンが多くないでしょうか?

足部が回内位になることで内側縦アーチは潰れ、偏平足となり外反母趾を併発しているようなパターンです。

これは、足部が回内しているのにもかかわらず膝関節の相対的な外旋位によりO脚を完成させているといった連鎖の破綻が見られていることがわかります。

 

ここで運動連鎖だけを軸にすると矛盾が生じますね。

 

足部の回内による上行性運動連鎖は下腿や大腿骨の内旋を生み出し、膝関節は外反(X脚)になるとされています。

 

なぜ、膝内反に対し足部は相対するアライメントを取るのか?

ここで、一つの答えになるのですが、

足部が「相対的な回内位」にあるということです。

ただ単に足部が回内しているのではなく、下腿との関係性を把握することが大事です。

下腿の外方傾斜が強くなればなるほど本来であれば足部は回外方向へ動きますが、足底面の接地面積を増やすために回内方向へ動かさざるを得なくなってくるのです。

外側に崩れてしまったアライメントに対し、歯止めをかけているような状態ですね。

確かに、運動連鎖に従って足部も回外してしまえばそれこそ立つこと自体が困難になってきますよね。

 

結局のところ、外側ウェッジの効果は?見る視点を変える必要あり?

今回の話の流れでいくと、外側ウェッジそのものは後足部回外を制動し、回内方向への誘導を強制的に行うようなアイテムになるため、足部回内はさらに強まり、下腿外方傾斜が増大していくことは予想されます。

つまり、表面上のお話であれば、外側ウェッジは臨床上お勧めできないアイテムとなってしまいます。

重要なのは、

「過回内しすぎないように調整をしていくこと」であり、「過回内の制動」という視点が重要になるのではないかと思います。

 

 

2.まとめ

今回は、膝OA患者の足部アライメントというテーマでまとめていきました。

運動連鎖についてはリハビリ業界に入った際に少なからず耳にし、それをベースにした臨床推論を行った経験は誰しもあると思います。

運動連鎖の視点がカッチリハマった時の治療効果の実感は結構大きいですよね。

そして調子に乗って膝OA患者さんを担当したときに「あらっ!?」みたいな…。

どこかで「カウンターとして代償的な機能をしなければならない」といった視点を持つことで、また一つ新たな診かたが広がってくると思います。

 

という事で本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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