どうも。
管理人のKnee-studyです。
久しぶりの投稿ですが、今回は前回半月板の記事を書きましたが、その続きになります。
当院でも半月板損傷に対する関節鏡手術は頻繁に行われています。
大半の患者さんが膝の痛みで来院され、画像所見など様々な検査の結果から、手術適応と判断され手術を受けることになります。
半月板損傷のリハビリを行う場合、大抵は術後から介入していくため、術前の状態を明確に把握できていないのが現状です。
そこで今回は、復習の意味を込めて、半月板損傷により起こり得る徴候から評価方法までまとめていき、理解を深めていきたいと思います。
1.半月板損傷により起こり得る徴候
半月板損傷を引き起こすと以下の徴候を認めます。
これらの徴候を確認しつつ、半月板損傷の問題を評価していきます。
①関節のクリック音が生じる
関節運動時に関節裂隙に一致して「コリッ」とした音を感じます。
これをクリックといい、この音を感じる場合を陽性とします。
つまり半月板に何らかの問題があることを示唆します。
②膝の完全伸展が困難になる(ロッキング現象)
辺縁部の半月板の縦断裂では、断裂した半月板が顆間窩や脛骨大腿関節面に嵌頓して膝関節が屈曲
したまま伸展不能に陥ります。
急性期では激痛を伴い、膝が完全に伸びきらない事と膝の痛みにより歩行も困難になります。
③弾発現象(Snapping)
クリックとともに起きる現象で、関節運動時に脛骨大腿関節面に損傷半月板が入り込み、弾発現象
が起こります。
これはロッキング現象と異なり、慢性期に起きることが多いとされています。
④関節水症(hydrarthrosis)
関節に慢性の炎症が存在する場合にみられます。
関節包内の容積は100 ml以上あります。
こちらも弾発現象と同様に、慢性期に起こる症状とされています。
2.半月板損傷を判断する評価方法
半月板損傷を評価する方法はいくつかあります。
代表的なものと言えば、McMurray testやApleyテストになります。
その他にも圧痛テストやJonesテストが挙げられます。
【半月板損傷を評価する方法】
①McMurray test
②Apleyテスト
③圧痛テスト
④Jonesテスト
① マックマレーテスト(McMurray test)
McMurray testは、膝関節を内外旋させ関節裂隙にクリックの出現を評価する方法になります。
【方法】
●患者を仰臥位とする
●他動的に患者の膝を屈曲位から外旋または内旋させる
●この時、患者の膝関節の外側関節裂隙、内側関節裂隙に検査者の指を当て保持する
●上記の位置から他動的に膝関節を伸展させ関節裂隙にクリックの有無と疼痛をみる
【効果判定】
膝屈曲位で下腿を内外旋させたときに痛みやクリック音が聞かれるか確認するテスト
下腿内旋⇒膝外反⇒外側半月板に負荷をかける(ストレステスト)
下腿外旋⇒膝内反⇒内側半月板に負荷をかける(ストレステスト)
※この際にクリックまたは関節裂隙の疼痛があれば陽性とする
※深屈曲位でクリックを触知するか疼痛が誘発される場合は半月板後節に損傷がある
※膝関節軽度屈曲位〜伸展位での陽性は前節損傷
※中節損傷の場合は、半月板損傷があってもMcMurray testでは陰性となることも多い
※click音のみや疼痛のみの場合よりも、どちらも認めた場合の方が信頼性が高いとされている
② アプレイテスト(Apley test)
Apley testは、McMurray testと違い、関節に圧迫や牽引を加えながら回旋ストレスを加える方法になります。
【方法】
●患者を腹臥位にする
●膝関節90°屈曲位を開始肢位とする
●下腿を大腿顆部に向かって圧迫しながら内外旋を行う
●逆に下腿を牽引しながら内外旋を行う
●上記2つのパターン(圧迫と牽引)を行い、疼痛の程度を評価する
【効果判定】
半月板損傷の場合は圧迫時に疼痛が発生し、牽引時に消失します。
③関節裂隙圧痛試験
内外の関節裂隙に沿って検者の指で圧迫を加えた際に、患側の関節裂隙に疼痛を生じる場合、これを陽性(半月板損傷がある)と判断します。
④ワトソン・ジョーンズテスト
背臥位で膝関節を過伸展させ疼痛の出現を確認するテストになります。
膝関節を伸展方向にストレスをかけていくことで、痛みが出現した場合、陽性を判断し半月板損傷を疑います。
3.まとめ
今回は半月板損傷のより起こり得る徴候から評価方法についてまとめていきました。
半月板損傷と聞くと、まず膝のロッキングを思い浮かべます。
膝が伸びにくくないですか?
とか
膝を伸ばすときに引っかかる感じがしませんか?
など問診で確認を行っていきます。
検査に関しては、McMurray testを行うことが多いと思います。
Apley testは、腹臥位になれない方もたまにいるため、McMurray testの方が実施しやすいですね。
我々セラピストはDrからの診断が下りて、疾患名がつくと自分で確認せずリハビリを進めてしまうこともあると思われます。
治療の効果判定や経過の確認のためにも、自分自身でしっかり評価を行うスキルは身につけておきたいと思います。
それでは本日はこの辺で。
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