どうも。管理人のKnee-studyです。
今回は前回記事の続きで膝蓋骨の低位と高位を評価する方法についてまとめていきます。
前回記事はこちら。
膝蓋骨の位置を評価する方法は、いくつかあるようですが信頼性の観点からは今回紹介するinsall-salvati-ratio(インサル-サルバティ比)が最も信頼できる方法のようです。
引用:Patellar height measurements: Insall–Salvati ratio is most reliable method
ということで、今回はInsall-Salvati-Ratioについて簡単にまとめていきましょう。
1.膝蓋骨の高さを評価する方法:Insall-Salvati-Ratioの測定方法
いくつかある膝蓋骨の高さを測定する方法の中の一つに、Insall-Salvati-Ratioが存在します。
Insall-Salvati-Ratioの測定方法は以下に示します。
【Insall-Salvati-Ratio】
①方法
膝関節を30度屈曲位にした状態でX線、もしくはMRIを撮り、
b「 膝蓋腱の長さ」 /a「膝蓋骨の長さ」
の比を割り出します。
つまり、膝蓋腱の長さを膝蓋骨の長さで割るわけですね。
膝蓋骨の大きさにも影響しそうですが、膝蓋骨自体が下垂していれば、その分膝蓋腱の長さも減少することから、計算上は0.8以下に近づくわけで「低位」と判断されるようになっているようですね
≪補足≫
このaとbですが、実際に自分でチェックしようとすると基準がズレやすくなります。
具体的な指標としては以下の通りでこの通りにやっていくことで検査者間のズレや期間を開けた前後評価時のズレが最小限になると思います。
●a;膝蓋骨上極と下極間の距離⇒膝蓋骨の長径
※膝蓋骨に骨棘がある場合、それを拾うと数値にズレが生じるため注意が必要です
●b;膝蓋骨下極と脛骨粗面上縁間の距離⇒膝蓋腱の長さ
②判定方法
数値が0.8~1.2の間であれば正常ですが、1.2を超える場合は膝蓋骨高位、0.8を下回る場合を膝蓋骨低位となります。
●正常値:0.8~1.2
●膝蓋骨高位:1.2以上
●膝蓋骨低位:0.8以下
2.Insall-Salvati-Ratioの信頼性を示す文献
引用:Patellar height measurements: Insall–Salvati ratio is most reliable method
「膝蓋骨の高さの測定。Insall-Salvati比は最も信頼性の高い方法である」
と報告した文献ですが、膝蓋骨高さの測定方法5つと比較しているようです。
実際の結論の部分では3つの測定方法しか示されていませんでしたが、その中でもInsall-Salvati ratioが検査者間のズレなどなく信頼性が高かったと結論付けられています。
他の測定方法:「Blackburne-Peel ratio」、「Caton-Deschamps ratio」、「modified Insall-Salvati ratio」
※それぞれ異なった基準で膝蓋骨の高さを評価していますが、上記でも説明しましたが、一般的には
Insall-Salvati-Ratioが推奨されています。
3.まとめ
今回は膝蓋骨の高さを測定する方法を紹介していきました。
文献を見ていくと、膝蓋骨高位の問題を捉えていることがありますが、実際の臨床(膝OA患者や人工膝関節術後患者)では膝蓋骨が高位よりも、低位の方が多い印象です。
膝蓋骨低位の場合は、痛む原因として膝蓋骨の下にある脂肪体や膝蓋腱の癒着が考えられます。
膝蓋骨低位の問題は、階段昇降時の疼痛と大きく関わっているとの報告も多々あり、見逃せない問題となってきますね。
ということで、今回は膝蓋骨の高さを評価する方法の紹介でした!
それでは本日はこの辺で!
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
コメント
Insall-Salvati-Ratioの計算ですが、aとbが逆だと思いますよ。
大変失礼しました。
修正しました。
間違いをご指摘いただきありがとうございます。