どうも。
管理人のKnee-studyです。
今回は膝の基本的なお話です。
変形性膝関節症などにより膝が変形してくるとO脚になったり、X脚になったりします。
変形が強くなれば、見た目からもわかるため、「あの人は膝が悪いんだろうか・・・?」
と推測できます。
では変形のし始めや、正常と異常の判断の境目はどうやって判断しているのでしょうか?
多くはレントゲンでの判断になってきますが、その際に基準を設ける必要があります。
その基準になるものが今回紹介する、FTA(大腿脛骨角)になります。
併せて、ミクリッツ線(下肢機能軸)といったラインも大事になってくるため同時に紹介していきたいと思います。
この2つの基準を用いて膝の変形度合いや正常・異常の判断を行っていけるようになりましょう。
1.FTA(大腿脛骨角)とミクリッツ線(下肢機能軸)とは?
FTA(femoro-tibial angle)=大腿脛骨角
日本語にすると、大腿骨と脛骨の角度であることがなんとなく予測できます。
実際の意味としては、「大腿骨と脛骨のなす角」のことをいいます。
つまり、”大腿骨の長軸(ライン)”と”脛骨の長軸(ライン)”の2つの直線がつくる角のことを意味します。
対して、ミクリッツ線ですが、日本語では以下のように呼ばれます。
ミクリッツ線(Mikulicz line)=下肢機能軸
大腿骨から足関節までの直線に対し、膝関節が理想的な位置からどれだけズレているかを確認していきます。
以下に詳しく説明していきます。
FTA(femoro-tibial angle)の計測方法
大腿骨長軸と脛骨長軸がなす角度を外側で計測します。
日本人の場合、正常(成人)では176°前後と言われています。
図:FTAとミクリッツ線について
大腿骨の走行はわずかに内側方向に曲がりながら膝関節まで伸びていきます。
これは、頚体角の影響により生じているとされています。
図:FTAの考え方
この大腿骨がやや内側方向に下るのに対し、脛骨はほぼ水平に走行するため、膝関節では外側に176°前後の角度をなすことになります。
ちなみに、
FTAが175°以下を過度の外反膝または、“X脚”と呼びます。
反対に、FTAが180°以上は内反膝、またはO脚と呼びます。
FTAの違いによる膝関節の変形イメージを以下に載せています。
図:FTAによる分類
ミクリッツ線(Mikulicz line)って?
ミクリッツ線は、大腿骨頭の中心から足関節中心を結んだ線で下肢の荷重線を表します。
正常のFTAの場合、およそ膝の中心を通ります。
図:FTAとミクリッツ線について
OAに対するTKAでの矯正角度の決定には、ミクリッツ線を用いる計測が主流であるとされています。
図:ミクリッツ線の考え方
FTAが185°以上の内反膝の場合、FTAが大きいほどミクリッツ線は膝の内方を通ることになります。
この場合、膝を内反させる力は強まり、さらに膝関節における荷重は膝関節内側部に偏り、荷重を受ける部分は内側部に集中します。
つまり、理想はミクリッツ線とFTAが膝関節がどちらも膝関節の中心をとおることになりますね。
ただし、日本人の場合は、やや内側を通過することが多いとも言われています。
正常の足でも実は真っすぐではない?
膝関節の正常な骨の配列は、やや外反しているのです。
つまり、若干のX脚が正常であると。
このように、真っすぐの足ではなくても今回上げたFTAの角度やミクリッツ線が膝のどのあたりを通っているかがどちらかと言えば重要であるということがわかりましたね。
いくら足が真っすぐでも、ミクリッツ線が膝関節から大きく逸脱していれば当然膝への負担は大きくなり、変形を助長する形になりますということですね。
2.まとめ
今回は、膝の変形を判断するための基準となるFTAやミクリッツ線についてまとめていきました。
言葉だけで理解しようとすると、あまり理解が進みませんが、実際の骨にラインを書いてみることでよくわかるようになります。
臨床経験が進むと、見た目で判断してしまう癖がついてしまう事もしばしばあり、それを見直すいい機会になりました。
ただし、臨床では膝の変形が強くてもOAの進行度は低い場合と、アライメントは良好であってもOAの進行している場合が多々見受けられます。
このように、基本的な評価は非常に大事ですが、それだけでの判断ではなく身体的な評価などを含めた総合的な判断がやはり重要であると思われます。
まずはベースの評価のために今回の記事は必要となると思われるため、是非参考にしていきたいと思います。
それでは本日はこの辺で。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!
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